様々な事情で賃貸マンション等に引っ越す人も多いと思いますが、少しでも安く良い条件の物件に
引っ越したいですよね。ここでは賃貸物件の選び方と安く借りるために知っておくべき事や注意点を
ご紹介致しますのでぜひ参考にして下さい。
物件の選び方
まずは物件を探す所から始まりますが、物件の賃料はやはり立地(駅からの距離等)や間取り、
築年数で決まります。あなたが「安ければどこでも良い」というのなら別ですが、やはり新生活を送る
上では少しでも好立地で綺麗な所に住みたいですよね。その上でのポイントをまとめさせて頂きます。
駅から近い物件
賃料はさておき、やはり最寄り駅までの距離が徒歩圏内の物件は非常にメリットが大きいです。
たとえあなたが車での生活を主たるものとしていたとしても、いつ事故に遭って車に乗れない状況に
陥るかは誰にも分かりません。突発的な車の故障やうっかり免許停止処分を受けてしまった場合も同様
です。又、家族や友人を招くにしても駅から近ければ相手の負担も軽減されます。
他にも夏の暑い日に駅まで遠い、冬の寒い日に駅まで遠い、大雨なのに駅まで遠い、飲んで疲れている
のに駅から家まで遠い…そんなストレスも駅から近ければ少しは緩和されます。
職場への交通アクセスが良い物件
職場の近くには住みたくないという人も多いとは思いますが、人生において通勤時間というものは
非常に無駄な時間だと私は思います(あくまで私の個人的意見です)
例えば通勤時間が片道30分の所に住む場合と、片道1時間の場合では、往復で60分も差が生じます。
もちろん公共機関を使っているなら電車内で本を読めたりスマホを触れたりもしますが、それでも自由
な時間とは言えません。これを年間240日勤務と仮定すると240時間も奪われる計算となります。
240時間は1日24時間で換算すると10日間分、あなたが起きて活動する時間が16時間なら15日分に相当
します。つまり通勤時間が30分の人は1時間の人に比べると、1年365日+15日余分に人生を過ごす事が
出来る事になり、10年だと150日分に相当します。
休日経済圏にアクセスの良い物件
又、物件を選ぶ際は、あなたが休日によく利用するエリアと職場を結ぶ同じ沿線上をお勧めします。
なぜなら職場と休日経済圏(休日にによく利用する商業エリア)と同じ沿線上に住む事で、通勤で使用
している定期券が併用できるからです(交通費を節約する事が出来る)
理想は物件→休日経済圏→職場、もしくは物件→職場→休日経済圏が同じ沿線上である事です。
もちろん職場と休日経済圏が遠い場合はその間の地域に住む事もメリットが生まれると思います。
とにかく人生において無駄な移動時間を節約できる環境に身を置く事は非常に重要だという事です。
物件を安く借りる方法
ここからは実際に物件を安く借りられる方法をご紹介致します。
特に初めて賃貸物件を借りる人は何の知識もなく不動産仲介業者に飛び込み、言われるがままの料金を
支払ってしまいがちです。事前にしっかり知識を入れてから仲介業者さんを訪ねるようにしましょう。
まずは良い不動産仲介業者を探そう
当たり前の事ですが良い仲介業者を探す所からスタートするわけですが、事前にある程度 賃貸物件の
情報サイトでめぼしい物件を探しておく事をお勧めします。その上で内見(実際の物件の下見)の事も
考えると適度に物件近くで営業している業者をピックアップしましょう。
情報サイトを見ると「この物件を取り扱っている業者」が数社記載されているはずですので、まずは
その仲介業者のホームページを必ず確認しましょう。ブログや口コミにも注目し、借主の立場に寄り
沿った内容が書かれているかも重要です。「ブログや口コミが半年以上更新されていない」や、
「当社のスタッフ」が掲載されていない等、今一つその仲介業者の実態が見えない場合は一旦候補から
外しても良いかもしれません。後述しますが「この物件を取り扱っている業者」以外の仲介業者でも
あなたがピックアップした物件を取り扱ってくれる事がほとんどだからです。
必ず複数の仲介業者を回る
面倒かもしれませんが、仲介業者は最低でも3社回るくらいの気持ちで物件を探しましょう。
又、どれだけ良い担当者さんに当たったとしても「明日も別の仲介業者さんを回るので…」と言って
即答する事は避けましょう(もちろん余程良い条件で内見も問題ない場合は別です)
但し、少しでも迷いがあるのなら必ず別の仲介業者も訪ねるようにしましょう。間違っても仮申込みや
手付金を入れたりしないようにして下さい。
※「物件を仮押さえするので…」「他の人に取られる可能性があるので…」等、あの手この手であなた
を引き止めるように言ってくる仲介業者も少なくありません。しかし仮であっても申込みをすると後々
それを盾に本契約を迫ってくるケースもあり、手付金を入れた場合においては返還してもらうのが困難
な場合もあります。
申込みに関しては必ずあなたが最終決定した場合のみにしましょう。それで万一本当に他の人に先を
越された場合は縁が無かったとして諦めましょう。あなたが後の人生を過ごす大事な拠点です。無駄
な経費を抑え、慎重に物件を探す事が何よりも大切です。
大半の物件は仲介業者間で共有・取り扱いが可能
大半の物件は「レインズ(REINS:不動産流通標準情報システム)」という不動産業者専門の
情報ネットワークWEBサイトで管理されております。中には本当に一部の業者でしか取り扱われて
いない物件もありますが、大半の物件はこのレインズを通して仲介業者間で情報共有・取り扱いが可能
となっております。
つまり、あなたが「この仲介業者さん、良さそうだな。でも自分が見たい物件を取り扱ってなさそう
だな」と思っても、実際に問い合わせるときちんと案内して契約まで進める事が可能です。
賃貸物件の契約を行う上で良心的な仲介業者を選ぶ事は非常に大切であり、1社で決め打ちせず、最低
でも3社ほど回るくらいの気持ちで良い業者を探しましょう。
仲介手数料は値下げ交渉可能!?
宅建業法(第46条)で、宅建業者(いわゆる仲介業者)が受ける事の出来る報酬額は、国土交通大臣が
定めており、宅建業者は「その額を超えて報酬を受け取ってはならない」とされています。
そしてその内訳は主に以下のパターンであり、①が最も多いと言われております。
- ①貸主(大家さん)から0.5カ月分、借主(あなた)から0.5カ月分
- ②貸主(大家さん)から1カ月分、借主(あなた)は無料
- ③貸主(大家さん)は無料、借主(あなた)から1カ月分
ここで注意点が一つ。
実は宅建業者が受け取れる仲介手数料の上限は「家賃1カ月分+消費税」と定められています。
又、「貸主から0.5カ月分+消費税」、「借主から0.5カ月分+消費税」が「同意なしでの上限金額」で
あり、これらを超える場合は借主(あなた)の同意が必要となります。
もしもあなたが「1カ月分+消費税」等の請求を提示されているのなら、契約書を読んだ上で担当者に
確認した方が良いでしょう。
言い換えると「今なら仲介手数料が無料」というサービス文句は、貸主(大家さん)からすでに
1カ月分+消費税の仲介手数料をもらっているが故に可能な事だとも言えます。
又、貸主側から0.5カ月分+消費税をもらい、借主からは本当に手数料をもらわない薄利営業の仲介業者
も存在しております。つまり「仲介手数料は減額交渉の余地あり」という事になります。
仲介業者の中には「仲介手数料をゼロにしたら私達の利益が無くなってしまいます」と言ってくる人も
居ますが「いやいや、大家さんからも仲介手数料もらってるんじゃないんですか?笑」と確認してみて
下さい。特に借主の仲介手数料が家賃の0.5カ月分+消費税なら大半の仲介業者は大家さんからも残りを
もらっているはずです。
敷金・礼金の値下げ交渉
敷金はいわゆる保証金の一つとして扱われる事が多く、借主による家賃の滞納や退去時の現状回復等
に充てられる事が目的です。よく「敷金なし」という物件もありますが、この場合 退去時にある程度
高額な現状回復費を請求される場合がある為、契約前に退去時の条件も確認しておきましょう。
対する礼金は大家さんに対して「部屋を貸して頂いてありがとうございます」という意味合いで支払
うものとなります。礼金は敷金の様な明確な目的がある訳ではない為、値交渉を行うなら礼金の方が
効果的だと思われます。
正直この礼金は本当に大家さんに渡されているか借主側には見えない部分もあり、中には仲介業者が
利益目的として勝手に上乗せしているだけの場合もあります。後述しますが物件を決める際は1社では
なく、必ず複数の仲介業者の見積もりと比較する事をおすすめ致します。
火災保険について
火災保険については物件の規模にもよりますが、一人暮らしの場合だと賃貸マンションの相場は
年間5千円~1万円と言われておりますが、1万円は高額な部類となります。又、この火災保険の会社は
仲介業者が決める権利は無い為、個人で加入可能か否かを確認すると良いでしょう。ネットで探せば
年間4,000円前後でも十分な保証内容の保険もあるはずです。
仲介業者の中には大家さん指定、もしくは管理会社指定を謳ってくる場合もありますが、2年間で2万円
など高額な保険を勧められた場合、「保険会社の指定って出来ないんじゃないんですか?」と交渉し、
相手が引き下がらない場合は一旦話だけ聞いておいて別の仲介業者にも確認してみましょう。
害虫駆除・消毒除菌について
こちらも仲介業者の利益でしかないオプションのようなものであり、正直不要と言えます。
害虫駆除や消毒除菌と言うと聞こえは良いですが、スプレー1つで済ませる業者も少なくありません。
ひどい場合、費用だけ請求して何もしないボッタクリ業者も存在しております
(にもかかわらず、消毒代として1万円~2万円を請求されるケースも珍しくありません)
※ちなみに2018年、北海道札幌市で某不動産仲介業者による消臭スプレー缶の爆発事故がありました。
内容は新品の消臭スプレーを一度に大量廃棄しようとした事によるもの。
もちろん専門業者を入れている仲介業者もあるかもしれませんが、こちらの項目も「自分でやるので
値引いてもらえませんか」と確認してみましょう。あまりにも高額な場合、違う不動産仲介業者にも
同じ物件の見積もりを取ってみるのも良いでしょう。
安心入居サポート的な項目は必要なの?
こちらも結論的に不要です。消火器や設備に関する様々な名目で不安を煽り、加入を勧めてきますが
設備に関する保険は本来家主が負担するものです。
借主が加入すべき保険は火災保険だけで十分であり、そもそもこういった不要なオプションを強要して
くるような仲介業者とは付き合わない事をおすすめします。書面やメールで記録だけ残しておき、別の
不動産仲介業者と比較すると良いでしょう。
家賃と共益費について
こちらに関しては仲介業者ではなく大家さんとの交渉となります。と言っても実際に大家さんと直接
交渉する訳ではなく、あくまでも仲介業者を通しての交渉となります。
しかし、家賃(共益費含む)の交渉に関しては内見(実際の物件の下見)も終えて本当に借りても良い
と思える物件のみにしましょう。交渉するだけして「ちょっと考えます」では、仲介業者や大家さんに
対しても失礼な行為と言えます。
ですので「初月の家賃を無料(フリーレント)にしてもらえませんか?」もしくは「1ヵ月の家賃を
あと3,000円だけ下げて頂けませんか?それが可能なら契約します」等、こちらが本気で借りる意思も
伝えた上で交渉すれば良いと思います。
もちろん値下げ交渉が通る・通らないは別問題ですが、その場で担当者から即答で「無理です」と
言われた場合は理由を確認してみましょう。なぜなら家賃の決定権は大家さんにあって担当者の一存で
決める内容ではないからです。
※次の章でも触れますが、閑散期かつ空き部屋が多い場合は応じてくれる可能性があります。
その他 内見時(物件視察時)の注意点
閑散期と空き部屋状況
実際に気に入った物件があれば現地での視察(内見)をお願いしましょう。又、その際は空き部屋の
状況もさり気なく確認すると良いと思います。
※さり気なく他の部屋の間取りや陽当たりを確認する目的も含めて確認すると良いと思います。
閑散期や空き部屋が複数ある場合、大家さんとしては入居してもらいたいため、家賃交渉に応じてもら
える可能性もあります。
インターネット回線付きの物件について
昨今はあらかじめマンション側がインターネット回線を引いて、家賃の中にすでにサービスとして
含まれている物件も少なくありません。但し、こちらに関しては必ずどの会社のどのプランで契約され
ているのか必ず確認しておきましょう。
余談ですが私は過去に契約した物件がJ:COMのインターネットサービスだったのですが、契約前に
仲介業者へ確認した所、「320Mbpsプラン」と聞かされていました。ところが契約後、J:COMから
言われたのは「基本は120Mbpsプランです。320Mbpsプランにする場合は別途追加料金が必要です」
となった訳です。仲介業者も悪気があった様子はなく、完全な勘違いでしたので相応の値引き交渉を
して納得しましたが、こういったケースもあるのでインターネット回線付きの物件の場合は物件資料を
よく確認した方が良いと思います。
(私はオンラインゲームもしないので結果的に120Mbpsでも十分でしたが笑)
まとめ
いかがだったでしょうか?こうして見てみると賃貸物件を借りる上で色々コストダウンを図れる
ポイントがたくさんあったのではないでしょうか?
相手(仲介業者)も商売ですから何でもかんでも値切れば良いという訳ではなく、不要なものを省き、
適切な価格を見極めて契約する事が大切です。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば幸いです。
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